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それから9分が経過し、蒼宮麗亜がエステティックサロンから出てきた。エステで磨かれた彼女はさらに美貌の度合いをアップさせていた。今夜はデートだという。
愛人にとって資金源を確保するための、これが仕事だといえるだろう。生活がかかっているわけだから気合いが入るのも当然か──。
一分の隙もない出で立ちに、先野はそう思った。そして、三条からボディガードを引き継いだことを伝える。
「今夜はカレがいっしょだから、ボディガードは不要よ」
しかし麗亜は口をとがらせた。デートにまでついてくるな、というわけである。
「そうはいきません。そういう契約ですから」
「依頼者のわたしが不要だと言っているのよ」
「もちろん、邪魔はいたしませんとも」
「当たり前です!」
嫌みな言い方になってしまったようで、麗亜は噛みついてきた。
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