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2人は15分ほどおしゃべりすると、席を立った。伝票は男がもっている。少なくともヒモではないようだ。
自動ドアからそろって出てゆく2人。
さて──。
約束ではボディガードはここまでだ。だが、先野にそのつもりはなかった。
脱いだ上着を裏返すと、着直す。すると、ブルゾンがコートに変わっていた。色も紺から黒へと。事務所にある尾行用の特注衣装だった。さらにフレームの太い眼鏡をかけ、席を立つ。
ここからはボディガードではなく、尾行だ。
ストーカーがあの男を狙う可能性があった。嫉妬に狂ったストーカーはなにをしでかすかわからない。たぶん麗亜は、そこまで考えてない。
カフェを出ると繁華街が近い。人が多く、尾行を気取られにくいのが好都合だった。
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