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「荷物が多くなりそうならお供しますが」
「あら、カートが大きいからお気になさらず。いくら雇った探偵でも、女の人に荷物運びなんかさせないわ」
「いくらストーカーでも、会員制の高級スーパーにまでは入ってこないでしょう」
三条の意見に、そうよねぇ、とうなずく麗亜。
「わたしは駐車場で見張っていますので、じっくりと買い物をしてきてくださいな」
「じゃあ、そうさせてもらうわ」
麗亜が店内へと向かう。
三条は、道路からスーパーの駐車場へと入る出入り口に視線を向ける。客のフリをして近づくストーカーらしき不審者が現れないか目を光らせるのだ。
先野が言うように、ストーカーの存在が依頼者の妄想であるかもしれないと、三条も思わないでもなかった。だが、なんらかの気配がするのも確かなのだ。三条も感じた。
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