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そうですね、と応じる三条は、
「ところで先野さんは、宇宙人はいると思いますか」
唐突に質問した。なぜかはわからないが、そう聞きたかった。
なにか大事なことを見聞きしたような気がするのだが、どうにも思い出せないのだ。先野から話を聞くことでなにかを思い出せるかもしれないと思ったのだ。しかし、なぜ宇宙人? そんなこと聞いてどうする?
「なんだい、取り留めもない」
まったくその通りである。
「いえ、宇宙は広いし、人間より遥かに進んだ文明を持つ宇宙人がいてもおかしくない、と思いませんか?」
「ふうム……」
仕事も決着したことだし、雑談につきあってもいいか、と先野はうなずいた。
「いないだろうな、というのが、おれの見解だ」
「へえ……」
三条には意外だった。先野なら肯定するだろうと予想していたのだ。
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