かわいい巫女には旅をさせるべし

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 否、決してバカにしているわけじゃないし、わざとそういうふうにしてるわけじゃないのもわかってる。  ただ私が言いたいのは、損しているということ。  ノリが悪いよりもノリがいい方がきっと楽しいはずだ。私は知らないけど。  知らないのに語るなというのであれば、知らない奴に語られないでちょうだい。 「アマネ、旅に──」 「しつこいわよ。いい加減にしてちょうだい」  いつもの日々がなくなってしまった。悲しくもないし、辛くもない。ムカつきもない。ただわけのわからない感情が押し寄せてきているだけだ。  誰ともあんまり話さない時間が多かったからなのか、どう話せばいいのかわからない。  まあ、それは人ならの話であり、この目の前にいるのは人ではなく神だ。ゴッドであり、柱なのだ。
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