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「知らなかったわ。ありがとう。そしておめでとう」
「酷いよ」なんて言いながら逃げ惑う自称神様に塩水の攻撃は辞めないで塩水をかけ続ける。
そろそろ塩水がなくなってきたため、塩水が入ったバケツ自体を投げたら、するりとかわされた。
「あなた、なかなかやるわね」
「ありがとう。じゃそろそろ本題に――」
「でも、甘いわ」
そばにあった箒を頭目掛けて振り下ろした。
「キャーーン!」
狐の鳴き声は犬みたいとは聞いたことがあったけれど、本当にそうだったとはね。
「クゥーン……」
「悪かったわよ。力加減が出来なくて」
犬の鳴き声を発した自称神様を家に招き、袋に氷を入れて渡してあげた。
優しくするならやらなければいい。多分そうなるのだろうけれども、こんな犬をいじめたみたいな感覚になるなんて思わなかったのだもの。
それに自分で自分のことを神様だと名乗るくらいなのだから、後々何をされるのかわかったものじゃない。うちの神社で丑の刻参りをされるかもしれない。
うちの神社でそんなことされてしまっては困るわよ。今でも全然人が来ないのにさらに来なくなっちゃうじゃない。
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