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未だに体育座りをして顔を埋めて子どものように泣いているから、結構離れた所で泣き止むのを待っていた。
それにしても――
「神様、ね……」
まぁ、神社なのだから神様がいて当然なのだけれど、こうもあっさり姿が見えるものなのかしら。多分どこの神社に行って神主や巫女に「私は神です」なんて通用するとは思えない。
通用するのはコスプレ会場とかかしらね。
私は神様なんて信用していないけど。
「アマネ―。お腹すいたよ」
「遠慮と言うものがあなたにはないの?」
「エ、ン……リョ?って何?」
「人に対して、言葉や行動を慎み控えることだそうよ」
「人はボク達神様を敬うものでしょ?どうして神様であるボクが人にエンリョ?しないといけないの?」
首を傾げて私に問うてくるのはいいのだけれど、これでは神様でも不審者でもなく、ただの物乞いね。そもそもさっきまでの子どもみたいに泣いていたのはなんだったのよ。
噓泣きってやつなのかしらね。まぁ、なんだっていいわ。私には関係ないもの。
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