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「ボクがここにいることは今の人の子は知らないだろうね。でもアマネは知ってくれて、掃除してくれる、これほど嬉しいことはないよ」
「あら、神様と言うのは随分単純なのね」
私は神様が嫌いなのよ。と付け加えて言うと、それがどうしたのと聞いてきた。どうしたもなにも、目の前で嫌いと言われて何も思わないの?
唯一信仰している神社の人間が、大嫌いだということに、何も思わないわけがない。
それとも何も気にしない変人――変神なのかしらね? それはそれで、変神な神様なんて言うのは嫌なことだけれど。
「それにしてもアマネの巫女服他の子達と違うね?」
「私は自分の好みで黒にしているのよ。それにあなたと比べるとそんなにおかしな恰好ではないと思うわよ」
黒色の巫女服を着ている私は確かに周りから見たら変な格好に入るのかもしれないわね。
他と違う格好をしているからと言って変な格好って言われるのはふに落ちないけれど、一応の自覚はあるのよ。これでもね。
でもこの神様だって人には言えないくらい変な格好よ。
顔を布で隠しているから顔もわからないし、なんか変な陰陽師のようなそうでないような恰好に一本下駄だし、それでよくコケないわね。
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