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2129年4月11日
俺は校舎2階の窓からぼんやり外を眺める。
不自然に真緑色をしたグラウンド、構内案内でその上を歩く新1年、その足元の白く書かれた陸上用トラック、ちょこちょこと生えるまだピンク色を帯びた若い桜、右奥の野球グラウンド、校舎と並ぶ形で建つバスケットコート2面分の体育館、ぐるりと敷地を囲う5m程で灰色の壁、左奥に壁の途切れ目にある門、そこからちらりと見える鉄の橋と、晴れなのにも関わらずどす黒い色をした海、対照的に真っ青な空。
ここから見えるものはほぼ人工的なものだが、外を見るのは悪くないと思っていた。だから俺は高校1年から3年まで、クラス替えが無いのを良いことに、【俺=窓際の席】を定着させてそこに陣取っていた。
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