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ここは俺の通う東京都立海上都市高校。名前通り、海の上にある。謂わば人口島だ。 海上都市開発の一貫として、実験的に作られた。 21世紀にも埋立地はあっただろ?あれはもう古い技術だ。22世紀、技術向上を目的として、自然物を使わない、全部を金属で作るという方法が生み出された。まだその技術は実験段階で(何の実験だかは知らないが)、その実験場がここって訳だ。 無論、海の上だから立地条件は物凄く悪い。家から何らかの交通機関で、東京からこの埋立地までかかる橋まで来て、そこから学校まで約500m歩かねばならない。なぜそんなに長いのか、歩く度に真っ白く、一枚の鉄で出来た橋(こんな橋はザラにある)に恨みが募る。 こんな高校だが、倍率も偏差値もかなり高い。なぜか、それは推薦枠が有り得ないほど多いからだ。実験的に作られているから優遇されてるのだろうか。よく分からないが、それだけの為に此処へ入学して来る学生が多い。俺もその1人だ。 自分の背後にあり、門の隙間から見えるであろう海に考えを移す。
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