第一幕 辰之廊下

4/5
前へ
/20ページ
次へ
四代将軍登竜爪吉は、 生類憐みの令を発布して、 切り捨て御免で、 肉食獣人が草食獣人を喰うのを禁じた。 その代わりに揚げ豆腐で作った、 精進料理を喰わせた。 なので肉食獣人達からは、 世紀の暗君と不平不満を集めている。 その分喰われる草食獣人からは支持されており、 民を想う安吾雷音立守は肉食したいのを我慢し、 登竜爪吉に敬意を払っているのだ。 「その方が、 阿弗利加藩の若い藩主リューか? もっと近う寄るリュー」 「はい、(それがし)が阿弗利加藩藩主、 安吾雷音立守にございまするアンゴ。 では早速・・・」 「おぬし!何処に触れておるリュー!」 「え?上様は逆鱗に触れると喜ばれると、 虎殿が・・・」 「たわけ!逆鱗に触れた龍は、 怒るに決まっておるであろうリュー!」 「そ!そんな!?お許し下さい!」 「処分は後で下す! 覚悟し下がっておれリュー!」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加