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「如何した堀部、
そなたは若殿と栄田に居た筈だウホ?」
「若殿が辰之廊下にて、
虎上野介に鉤爪で襲い掛かり申しタカ!」
「なんと!?」
「若殿は虎上野介めに、
上様は逆鱗にて喜ぶと騙され辱められ、
辰之廊下で我ら家臣を侮辱され、
虎を成敗せんと…
既に切腹の命が下されましタカ!」
「おのれ虎!
ただでさえ賄賂で私腹を肥やし、
若殿を蔑んでいたと聞いてはいたウホが…」
「父上!まずは砂蛮南城にて、
動揺する家臣一同に、
家老の役目を果たされてはウホ?」
「そうウホな、
では早々に支度して砂蛮南城に向かうぞ」
大猿親子は部屋着から、
礼服と裃に着替え、
縞馬獣人が担ぐ駕籠に乗って城に向かった。
砂蛮南城では、
主君突然の訃報を聞いた、
阿弗利加藩三千の家臣達が集まり、
様々な鳴き声を上げながら取り乱していた。
それはまさしく動物園さながらだ。
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