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「ええい!皆の者、
静まれ!静まるでござるウホ!」
「御家老!若殿が虎を斬り付け、
切腹されたとは真にござるグオか?」
「安吾家と阿弗利加藩は、
モーどうなるのですか!?」
「若殿が虎を斬り付けたは、
共に栄田に赴いた堀部が言うから、
間違いなかろウホ!
斯くなる上は安吾家は断絶し、
阿弗利加藩もお取り潰しであろウホ」
「なんと!我ら一族みな路頭に迷う事ガオか!?」
「先祖代々守り続けた砂蛮南城に籠城し、
御公儀相手に討ち死にするギャー!」
「いや、そんな事をしても、
亡き若殿は喜ばぬウホ。
砂蛮南城は明け渡すが、
騙された若殿の無念を晴らすべく、
栄田の虎屋敷に討ち入るつもりウホ!
参加する者は、
安吾家菩提寺の禿鷹寺での葬儀に集まるウホ!」
「ざわざわ」
「ガヤガヤ」
家老呉里助の忠義に満ちた提案に、
阿弗利加藩士達は、
更に戸惑った。
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