第2章 許嫁

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ア「橘くん、入るよ?」 返事する前にアルトが中に入ってきた。 「入っていいなんて言ってない」 ア「ごめん、橘くん。 君が泣くとは思ってなくて…」 「………次こんなことしたら嫌いになるから」 ア「うん、ごめん」 「………許す」 ア「ありがとう」 何で嬉しそうな顔してんだよ。 ア「でも、嫌いになるってことは、今は嫌いじゃないってことだよね」  「なっ」 ア「ねぇ橘くん「夏蓮」え?」 「俺は夏蓮だ」 ア「名前で呼んでいいの?」 「………いい。 橘くんって呼ぶの長いだろ」 ア「ふふっ、ありがとう夏蓮くん」 「くんはいらない」 ア「うん、夏蓮」 「なに」 ア「夏蓮」 っ! なんで俺の心臓バクバクしてんだよっ。 ただこいつに名前呼ばれただけなのに… ア「じゃあ僕のこともアルトって呼んで?」 「え、なんで?」 ア「だって夏蓮、僕のことお前とかこいつとかしか言 わないじゃん。 僕も名前で呼んで欲しいんだ」     
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