ジョー草薙 登場

5/12
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
ジョー草薙は能力「トリップ」で河内の過去を調べていた。調べていくうちに不審な点がいくつか見つかった。この手の依頼は自然現象によるもの言わば自然な流れによるものが多い。しかし、今回の依頼者の過去は人為的に歪められた可能性がある。自然な流れによるものであればある一定のアドバイスなりこれからの話が出来る。しかし、今回のケースは極めて珍しい流れである。自然な流れに戻しつつ不審者をリストアップする必要があり、その上その不審者をパージしなければならない。しかし、どうしたものか?自分の能力に極めて近いものがある。とにもかくにも自然な状態に修正しつつ情報を精査していた。 ジョー草薙は仕事をしながら信頼出来る仲間に情報を送っていた、その仲間から連絡があった。フランス元諜報員キースなる人物がリストアップされた、キースは自身の能力を国家のために使っていたがいつ頃からかその能力を自分自身のために使うようになり当局から解任されると同時に姿を隠した、フランス当局は一切を伏せて国際指名手配をした人物である。情報を理解しつつなんとも手前勝手な話だなと思った。フランス当局に連絡するように指示をしながら、どのようにパージするかそれが非常に難しいように思われた。相手がその気になればジョー草薙そのものの存在を消す事が出来るからである。 そう考えると「その手があるな」と独り言を言った。 仕事を終え事務所に戻ると仕事仲間の士郎から連絡が入っていた。士郎はジョー草薙を理解する数少ない人物である。士郎の連絡を確認するとフランス当局に連絡は済んだがその30分後に士郎の家の周りは囲まれたと恨めしい言葉が目に入った。特に違法な行為をしている訳ではないから危害を加えられる可能性はないだろうと言う内容だ。 最後にこう書かれていた、「おまえのところにもいくぞ」と言ったものだ。 「OK」と独り言を言った。 そう言うと左手で右手首を胸の前で掴み「トリップ」と言うと部屋から草薙は消えた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!