悲惨な誕生日

ジョー草薙 登場

二人とも草薙の顔をまじまじと見つめると再び時計を確認した。
「あと、２分２０秒だ」と草薙は言うと立ち上がった。
ジョンソン捜査官とフランシーヌ捜査官の向かい側に対峙するような形で立った。
二人とも察したのかそこに「キース」が現れることを理解したようだ。
ゴクリとジョンソン捜査官は生唾を飲み込むのを意識した。自然と銃を持つ右手に力が入った。思わず力が入りすぎて今にも暴発してしまいそうな勢いだった。
フランシーヌは今まで生きて来た中で一番長い２分２０秒を過ごしていた。普段は冷静沈着である彼女もさすがに興奮しないではいられない、なんとも言えない高揚感に襲われていた。どれくらい経ったのだろうか？もう２分２０秒なんかとっくに過ぎているのではないか？そんな事を考えていた。すると「あと１０秒だ」と短く草薙が言った。
二人とも構えていた。「５、４、」と草薙がカウントを始めた。
「３、２、１、」「ゼロ」と言った瞬間一人の男が３人が立っている中心に忽然と現れた。
その瞬間ジョンソン捜査官とフランシーヌ捜査官は発砲を試みていた。
「フリーズ」とどこからか聞こえた。と思った瞬間草薙が背後から「キース」なる人物を抑え込んでいた。発砲した弾はあたったのか？しかし、「キース」は生きているようだ。
フランシーヌは何か違和感を覚えたがキースが目の前にいることに興奮を覚えた。
咄嗟にキースの頭に狙いをつけ詰め寄った。「キース・ブラッドリー抵抗するな！貴様には射殺命令が出ている抵抗すればためらう事無く射殺する。」
キースは吐き捨てるように「クソッ！」と一言漏らした。