第一話 カイユ村の少年

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茂みから現れたのは、ひょろりと縦に細長い男と小太りの小さな男の二人組だった。黒い衣装に身を包み見るからに怪しい。 子供たちのほうには近づかず、見張りのほうへにじり寄る。見張りがぐっすり眠っているのを確認すると、そばに置いてある見張りの荷物を持ち上げた。旅人を狙う泥棒らしい。ファルは息を潜めた。今見つかればただでは済まない。 男たちはそのまま茂みに立ち去ろうとした。男たちが振り向いた後、ファルは小さく息を吐いた。 その瞬間、小太りの男が素早く振り向いた。細長い男が音を立てず素早くファルとの距離を詰め、ファルは声をあげる間もなく茂みに引きずり込まれた。
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