第5章 モテ期到来?(つづき)

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しかし、踵を返そうとする私の手を、縋るように彼が握ってくる。 「ナッちゃん、やっぱり怒ってる?」 私は、ちょっと振り返って微笑んだ。 「怒ってないよ」 しかし、心にもない事を言っているのは分かったのだろう。 再び踵を返した私を、彼の手が少し強く引く。 「ナッちゃん、ごめんなさい。僕、どうしたら許してもらえる?」 私は、もう一度ゆっくりと彼を振り返った。 「どうして、何も悪くないのに謝るの?」 「だって、ナッちゃんが怒ってるから……。 僕、せっかくの週末、ナッちゃんと仲良くしたいから」 切なげにわずかに眉根を歪められ、ちょっとだけ気持ちがグラつく。
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