第5章 モテ期到来?(つづき)

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「冠くん。昨夜(ユウベ)美佳さんに、いっぱいくっ付かれた?」 しかしこれにも、もちろん彼は答えられずに、短く喘ぎ声を漏らすだけ。 そして、 「や……、や……。ナッちゃ、それ、や……」 顔を歪ませ、涙目でようやく懇願してきた彼に、私は頷いた。 「ん。じゃ、止めようか」 しかし、タオルの上を離れたバイブは、 まだ、かろうじて濡れている胸の上に移されていく。 「あぁぁ、あっ……」 再び、彼の背中がピクンとしなった。 だが、これが限界だったらしい。 いきなり、ガシッと彼の手が私の手を掴むと、 一気に上体を起こした彼が、慌ててベッドから降りて タオルも巻かずに寝室を走り出て行く。 そんな彼に、私は少なからず驚いた。 なにしろ、最初からバイブを使うつもりではあったものの さすがにこれは予想外。 正直、恐らく初めて体験するだろうバイブの刺激に、 彼が、イッてしまうことは想像できたが、 そこに至らず、彼が部屋を飛び出て行った理由は思い当たらない。 それだけに私は、駆け出て行く彼の裸の後ろ姿を、やや呆然と見つめた。 そして、 「ちょっとやり過ぎた……、かな」 ポツッと独り言を呟き、クシャクシャになったベッドから降りて それを整えだした。
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