17人が本棚に入れています
本棚に追加
「美佳さんと、どんな事話したの?」
「話したっていうか、彼女も完全に初対面を装ってくれたので、
結婚してるのかとか、銀座は初めてかとか、そんな事。
でも、そのほとんどが、僕が答える前に小野寺さんが答えてたから……。
その、ちょっと、どう止めていいのかも分からなくて……」
そして、やっぱり「ごめんね」と謝る彼の声に
更なる罪悪感が、急激に膨らんだ。
「謝らないで。冠くんは何も悪くないでしょ? 悪いのは……」
しかし、言い掛けたものの、言葉尻だけは悔しさと混乱の中に消えていく。
すると、
「ナッちゃん。僕、ナッちゃんだけが好き」
ギュッと抱きしめられて、大きな安心感と幸せに強く包まれた。
最初のコメントを投稿しよう!