第5章 モテ期到来?(つづき)

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「美佳さんと、どんな事話したの?」 「話したっていうか、彼女も完全に初対面を装ってくれたので、 結婚してるのかとか、銀座は初めてかとか、そんな事。 でも、そのほとんどが、僕が答える前に小野寺さんが答えてたから……。 その、ちょっと、どう止めていいのかも分からなくて……」 そして、やっぱり「ごめんね」と謝る彼の声に 更なる罪悪感が、急激に膨らんだ。 「謝らないで。冠くんは何も悪くないでしょ? 悪いのは……」 しかし、言い掛けたものの、言葉尻だけは悔しさと混乱の中に消えていく。 すると、 「ナッちゃん。僕、ナッちゃんだけが好き」 ギュッと抱きしめられて、大きな安心感と幸せに強く包まれた。
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