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「ねぇ、冠くん。さっき、なんで出て行っちゃったの?
ここでイッちゃうの、嫌だった?」
それに、俯いたままの彼がボソリと言う。
「あんな機械でイくの、嫌だったし。
でも、いくらナッちゃんの前でも、マスるところは見られたくないから……」
そして、上目遣いの視線と一緒に言われてしまった。
「なんか今日のナッちゃん、ちょっと意地悪……」
だが、わずかに口元を尖らせる彼に、やっぱり私は細く笑いが零れた。
フフッ……。
そして、そんな彼の唇を小さく啄み、そっと彼の頬を片手で包む。
「ごめんね。だって冠くん、すごく可愛いんだもん」
ナッちゃん……。
少しだけジッと私を見詰めた彼が呟き、チュッと小さくキスを返される。
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