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「ずぅーっと、いっぱいラブラブしようね」
「うん……」
微かに眉根を歪める彼に、今度は、私がまたキスをする。
そして、
「ナッちゃん、すごく好き」
「うん。私も、すごく好き」
「ナッちゃん、ものすごく好き」
どこか切なげな面持ちで呟くように言う彼が本当に愛しくて、
つい、また細く笑いが零れてくる。
フフッ……。
そして、そんな微笑む私の唇に、彼がゆっくりとキスをした。
「冠くん、大好きよ」
彼の頬を片手で包んだ私に、彼は、やっぱり切なげに眉根を寄せる。
「ナッちゃん」
「ん?」
すると、ほんの少しジッと私を見詰めた彼が、どこか寂しげに言った。
「このままだと、またしたくなっちゃうから、きれいにしてきます」
そして、そっと私の中から抜けると、ベッドを下りて寝室を出て行く。
私は、その裸の背中を黙って見送った。
そして、少しばかり残る余韻を味わいながら、
そのままタオルケットにくるまり、
束の間の夢の中に戻るようにベッドに横になった。
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