episode216 In Bondage

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細く息を吐くと 軽くカールした前髪が躍る。 不健康に白い肌の上 赤い唇は一際赤く染まり まるで綻ぶ寸前の蕾のようだ。 「ああ……ダメだ」 ぬるい水で撫でるように顔を洗い 頭を振るうと首筋に涙のような雫が伝った。 さすがに――こんな姿誰にも見せられない。 目も当てられないほど卑猥な己の姿から目を背け 僕はシャツの襟元をパタパタと仰いだ。 なんとか 違う手を考えた方が身のためだ――。 思い直し掛けておいたジャケットに手を伸ばした。 その時だった。 「あっ……!」 ぐいと手首を捻り上げられた僕は――。 「お兄様……あのっ……これは……」 遅かった――思う間もなく。 焼かれるような視線の前に 隠しようもない淫らな姿を晒していた。
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