だしの香りは思い出の香り

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「そろそろお昼にしようか?」 菱川と悠太がランチの片づけをしていると遊佐が声をかける。 「はい」 「あー、今日は和食なんだね!」 「あぁ、悠太のリクエストだから」 菱川は嬉しそうに遊佐が作ってくれた昼食を見つめる。 悠太は『おいしそう』と呟くと、それらをトレーに乗せてカウンターへと運んでいく。 ご飯、豆腐とわかめのみそ汁、豚肉の生姜焼きに青菜のおひたし、そして卵焼きまで並んでいた。 三人は一列に並んで席に着く。 「では!手を合わせて――」 『いただきます』 菱川の明るい声に二人は笑いながら合わせる。 いつの間にか、これが定番になっていた。
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