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第一章
これは遠い魂の記録。
かつての私の魂の記録。
目の前には気候の良い田園風景が広がる。
私の生まれた時から、12歳まではこの田園風景の中で育ったのだった。
元々呼吸器系の弱い私は都会の空気の悪いところでは余計に苦しくなるので、両親は祖父母の住むこの機構のよい地に私を預けた。
母も体が弱く、祖母になついていた私はなんお障害もなくこの地で暮らすことができた。
当時私は、栗色の髪とブルーの目を持った、細っこい女の子だった。
一年のうち、ベッドの上の生活の方が長い、青白い顔をした子供だった。
とうもろこしのスープも、チキンもそんなに好きでなくいつも祖母を困らせていた。
それは私の誕生日だったと思う、祖母から
「今日は可愛いお客さんが来るから一緒にお迎えしましょうね。」
と、言われ、新しいブルーのワンピースに髪も三つ編みに結ってもらい、誰が来るのかとそわそわしていた。
しばらくして、車の音がして、若い男の人が一人で家にやって来た。
誰か子供も来るのかなと思ったけど、その男の人一人だった。
祖父母が挨拶して、私は祖母の後ろに隠れていると。
「リーナ、お誕生日おめでとう。さあ、友達を連れてきたよ、今日からいっしょだ。」
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