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神に祈った、私の老猫が命の尽きるまで、糧を与えてくださいと。
「ハハジャ、ハハジャ、イナイドコダ。イツモハココニイルノニ。デモ、チビノサラニゴハンガアル。」
いつもちびが起きたらごはんが入っていた。
「ハハジャ、ハハジャ!!!」
ある夜ちびは寝ないで朝を待った。
白い服の私はいつものご飯を運んでいた。
白い服の先にちびは爪をかけた。
「ちび、本当は私はちびには会えないの、お放し。」
「イヤダ、イヤダ、ハハジャハチビガキライニナッタ?」
「私はもう死んでる、だからこれだけしかできない、ごはんを運ぶだけ・・・」
「イヤダ、イヤダ、ゴハンイラナイゴハンイラナイ。ナゼシンダ、チビヲノコシテ。」
「私は殺された、海岸で。亡骸は洞窟の中。」
「ソコニイキタイ、ソコニイク。」
「おまえも殺されるよ。おやめ。私を殺した者達が私の亡骸を探してるらしい。お前にごはんを運んでるあいだだけ、陛下とも話せるから、毎日、お話させてもらってる。」
「チビノカラダニノレバイイ。ヘイカノトコロニイクノニ。」
「そんなことをしたら、ちびは死んでしまう。」
「ハハジャノヤクニタツナラ。」
その日より茶色の大きい猫が夜中に城内をかけて行くと言う噂が流れた。
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