ニート勇者誕生の日

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とりあえずギルドに向かった。ギルドでクエストを受けることができる。 クエストには、魔物や盗賊の討伐など上級と呼ばれる危険なものから、人探しやおつかいなどの初級まで様々なものがある。その難易度によって謝礼のゴールドの額も違う。 そしてそして、実績も名声もあり勇者の肩書を持つオレには、「VIP」と呼ばれるクエストを受けることができるのだぁ。 VIPクエストは、正直楽で稼ぎがいい。祭りのゲストとか姫様のダンスの相手とか。これも勇者の肩書を持っているおかげ。ウッシッシ。 ギルドに着くと、懐かしい顔があった。ギルドを仕切るガルだ。 「おやっさん!久しぶり!」 以前のように気軽に話しかけた。 ガルは強面で、ガタイもいい。顔見知りじゃなかったら話かけないかも。 「よう!これはこれは勇者様ではないか!久しぶりだなぁ。元気か?」 「なんとか元気でやってるよ。ちょうど1年ぶりぐらいか。なんだかもっと昔のような気がするな。おやっさんは相変わらず元気そうだな」 「まぁな。元気だが、こう平和だと仕事がなくて商売上がったりだ」 しめた!仕事の話に持っていけそうだ。このままクエストの内容を聞き出そう。さすがに勇者が金のために仕事を探してるとは切り出せないし…。 「そうなのか?で、今はどんな仕事があるんだい?」
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