番外編SSその2 魔法使いの弟子

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幼馴染の麻子には、援助として毎年まとまった額を麻子の口座に振り込んでいる、麻子が嫁に行く時まではと思っているが、これは父親のセリフだと自嘲していた。もっとも自分のエゴではあると自覚している。自分は麻子を妹としか見ることができない。多くの好意を受けていてもだ。 ある時母が倒れた。救急搬送された病院に駆けつけて、医者から余命数か月と聞いた時には涙もでなかった。ただこれからのことを考えて、進学をあきらめようと思ったとき現れたのが父だった。 なぜ今になって、自分の前にでてくるのか分からなくて怒りがこみ上げたが、父に連絡を取ったのが母だと聞いて唖然とした。 僕の行く末について、母から(遺言になったが)頼まれていると。 ただし条件があると父は言った。弓削の家に養子に入り、霊法師として白の党の長としてたち、会社の運営の補佐をしてほしいと。そのための学費はすべて出してくれると言われた。 現在の白の党長である父と再婚した義母には霊法師として力のある子は生まれなかったらしい。腹違いの弟と妹がいるが、彼らなりに僕を受け入れてくれた。義母の思惑は知らないが特にきつく当たられることもなかった。
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