番外編SSその2 魔法使いの弟子

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会社は将来的には弟が社長になるだろう。自分は会社ではあくまで補佐だ。社長の椅子は興味がなかったので特に問題はない。 霊法師の力は、各党の本家にある祈祷社で真言宣告を受けることができるか否か。僕が幼いときに(覚えていないが)宣告を受けていたらしい。大学生としての日常の他に、弓削の長ずるものから霊法師の修行もさせられた。それとは別に、なぜか自分は幼いときから人心掌握術に長けていた。 社会にでてからも、積極的にこの力は利用していった。女性の扱いに対してもはっきり言って困ることはなかった。近づいてくる女性の半分は遊びか弓削の家の名前目当てで、それ相応の相手をしてやればよかった。 白の党の次代に決まった時、噂を聞いた。『鍵』が見つかったという……。 『霊法師』と『鍵』は仙台の鎮守の守りの要。『鍵』だけいても『霊法師』だけでも機能しない。『鍵』作動させるために『霊法師』は存在し、杜の結界を形成する。 弓削の家では内々に、『鍵』はなんとしても取り込めという指令はあった。まあ結婚なんてそんなもんだと思っていたので、取り込んでしまえば何とでもなると思っていた。元より愛情なんて信じちゃいない。得意の掌握術で自分に縛り付けるだけでいい。 『カフェBarシオン』で『鍵』たちが働きだしたと聞いて、あらかじめ下調べをして驚いた。高校時代の「月の君」が『鍵』だった。
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