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「麻子は、自分のことだけを考えろ。これからいい人と出会っていい家庭を作るんだ。それまではちゃんと援助するから心配すんな」
「コウ兄は……彼女さんとかいないの?」
何となく気になっていたことを口にする。
「まさか……それどころじゃないよ。会社に入っていろいろ覚えなきゃいけないこともあるし。余計な事は心配しなくていいよ」
そういって笑ったっけ。私少し安心しちゃった。コウ兄の彼女が現れたら私どんな態度とったらいいんだろう。コウ兄をしあわせにしてあげてねってちゃんと言えるのかな……。できれば私がそうだったらうれしいけど。……そう思ったら頬が熱くなった。
コウ兄と、毎月一度は会う約束をしている。おしゃべりして近況を伝え合って……。
同僚の子がたまたまそれを見かけたらしく「彼氏?」と聞かれたので「お兄ちゃんみたいな人」と言っておいた。……本当は彼氏って言いたかった。
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