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そこまで見ていたら、何だか見ちゃいけないものを見たような気がして、その場から逃げ出した。あそこには私の知らないコウ兄がいた。悪いことをしたわけでもないのに、胸がどきどきしていた。私へのプレゼントだったらうれしいけど、たぶん、いや絶対違うと思う。
コウ兄は高校時代からモテてた。告られても、いつも「ごめん」って断ってた。
私は少しうれしかった。だって私だけのコウ兄でいてくれるから。
図書委員をしてた時、放課後はコウ兄も図書館で過ごしてた。
いつだったか、帰り道に変な人に後をつけられて怖かったって言ったら、真顔で怒ってくれて、図書委員の仕事が終わるまで待ってくれて、毎日一緒に帰ってくれたけど、送ってくれるだけだった。
図書委員の他の子には、「いつも一緒にいてくれて守ってくれる大切な人」って言ったけど間違ってないよ。本当にそう思ってたから。
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