僕と君の発熱

3/4

11人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
苦しそうに汗をかき、眉間にシワを寄せる君の顔を見て僕まで辛くなる。 《どうして熱なんか出たんだ?》 同じ場所で、同じ物を食べ、同じ時間を過ごしているのに、僕は健康そのもの。 僕の通う大学でも風邪をひいている人はいるけど、寧ろ僕の周りの方が多い気がするんだけど…… 《もしかして、僕のせいか?》 僕は温もった冷えピタをゴミ箱に入れて新しい物を冷蔵庫から取り出した。 覚えはある。 君と初めての夜を過ごしてから問題なく2人でイチャ付きまくれる日々が訪れた。 幸せを感じる毎日で、浮かれまくっているのは事実。 シングルベッドに成人した男が並んで寝るのはキツいから、近々セミダブルか、ベッドを棄てて床に布団を並べようかと相談している最中だ。 一人暮らし用の部屋に男2人で住んでいるのだ、多少の窮屈さは我慢。 風呂.トイレが別である都合の良いこの部屋で、 《風呂場でシタ後、暑くて裸のまま寝た事があった……》 と数日前の事を思い出す。 また、昼間は別行動であるし、休みもなかなか合わないから、夜桜見物に出掛けようと思い立ち、先日近くの公園に2人で向かった。 暗闇の中に外灯に薄っすらと浮かび上がる淡い色目の桜に見惚れて立ち尽くした。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加