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シュポッ
すると、やはり不思議なことに、目の前にはたくさんのろうそくが刺さった見たこともないくらい大きなケーキが現れました。
まるで誕生日会のケーキのようです。
少女は、母親と過ごした小さなアパートの部屋の中の二人だけの幸せな誕生日会を思い出しました。
「誕生日のケーキのろうそくを吹き消す時にお願い事をすると、そのお願いが叶うのよ」
母親がそう教えてくれたことを思い出し、少女は思い切り息を吸い込むとその何十本もの炎にめがけて息を吹きかけました。
「お母さんと、また誕生日会が出来ますように」
少女が願いを込めた瞬間、また目の前のケーキもろうそくも消え去ってしまいました。
ぼんやりとした炎の光だけがその場に残り、その光は、少女の頭上を超えて、雪の舞い降りる空の彼方に高くのぼり、まるで星のようにきらめきながら空いっぱいに広がったのでした。
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