金色の星

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そんな少女の母親のスナックが潰れたのは、半年ほど前のことでした。 もともとお酒を飲むことくらいしか趣味のなかった母親は、それと同時に一気に酒に溺れて行ったのです。 ある日、少女は家の中の母親の宝石箱の中から、父親の連絡先の書いてある紙を見つけ出しました。 その番号に連絡すると、優しい声のお婆さんが受話器を取りました。 「あの…」 「はい。どなた様でしょうか?」 「正さんはいらっしゃいますか?」 「…正は、もうこちらには住んでませんけど…」 そこまで聞くと、少女は受話器を置こうとしました。
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