第十九章 月は知っている 五

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 借金に追われていた若夫婦は、息子の預け先を探していた。 それを繋げ、金を取っている組織があった。  個人では、繋がった犯罪としてはなり得ない。  若夫婦は、結果としては自殺となり、その保険金を組織が受け取って報酬としていた。 「犯罪を結びつけるのですか」  木村は、自分が影武者だと気付いていたのだろうか。 それは、あまりに可愛そうな人生であった気がする。 「そう、木村が抱かれた映像は有料だったよね。プロが仕込んでいたよ」  木村は見た目が良かったせいで、満島の鑑賞だけではなく、プロが入ってきていた。 「それも、犯罪を縁組させる組織が動いていた」  木村の映像は回収できなかったので、木村はその後も男に口説かれ続けていた。
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