第一章 逆まわりの時計

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 毎日、新鮮な野菜を食べたいという理由で、田舎に就職したが、 二年で本社に移動になった。  それだけでも、かなりショックであったというのに、 その時再開した友人、慶松 士志郎(けいまつ ししろう)と同居している。 いや、家賃は払っているが、慶松の家で同棲している。 「氷花(しが)、明日は暇か?」  俺、氷花 護浩(しが まひろ)K商事の企画課に勤めている。 慶松は、家の前のラーメン屋松吉の店主であった。 「いいや、弟が来ると言っている」  俺は、この家に来て慶松に初めてを奪われた。でも、まだ二回目には至っていない。 その理由は、一回目が、あまりにも痛かったのだ。 その痛みを思い出すと、どうしても、又、しようという気にならない。
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