第十四章 月が知っている 四

4/24
前へ
/412ページ
次へ
「柴田君も忙しいのにね。それに、営業成績も下がっているし…… 氷花君、あんまり自由だとダメだよ」  事務の女性に怒られてしまった。 俺は、とぼとぼと席に帰ると、温科の席をじっと見る。  温科が組む営業は、会社の賞を採る程だ。温科のサポートは凄い。 それに比べて、俺は自由過ぎるのかもしれない。  営業一課の顧客を見直し、販売している商品を、過去三年から見直してみた。 そこで、傾向を見てから、下がっている部門だけを抜き出してみる。  営業できない商品はある。 競合メーカーがあるので、どうしても売れないものなどがある。 それは、頑張った所で、成果の出ない場合もあるが、いい商品も埋もれている。
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

312人が本棚に入れています
本棚に追加