312人が本棚に入れています
本棚に追加
今から開発しても、売れ筋になるには時間がかかる。
ならば、埋もれている商品を発掘してみよう。
そこで、気になる品物のサンプルを借りてくると、設計図を探して眺める。
競合メーカーの品物をサンプルで持っているはずなので、借りてきてバラす。
バラしたパーツから設計図にしてみた。性能表を見ながら、パーツを見比べてみる。
「それ、いい商品だろ?」
後ろに柴田が立っていた。
「競合メーカーだけどね、これいい商品だ」
ウチの品物が敵わなかっただけある。
「ウチのもいいのだけどね、スペックが下だよね」
柴田も気になる商品らしい。
「うん、下だよね。でも、その分、価格を安くできるよ」
高スペックでいい商品だが、これは、かなり高価であった。
K商事で出しているものは、量産に適していて安価になっている。
この量産に適した設計のせいで、性能がついていかなかったのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!