第一章 逆まわりの時計

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「氷花、そろそろ二回目も検討してね。一回目よりも、俺の心には余裕があるからさ、 無理もさせないよ」  それは分かっている。 慶松も、時折、俺を見て暗い表情をする。俺が怖がっているのが、慶松には辛いのだ。  兄の孝弘にも、宍戸 六六(ししど ろむ)という男の恋人もいて、 最初はかなり痛かったらしい。 しかし、すぐに二度目、三度目を続け、今では感じまくり、イキまくっているという。 「分かっているよ」  分かっているけど、怖いのだ。
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