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「それじゃ次は分け前の話だが....。」
そういうとその場の全員が手を挙げる。
団長は慣れたようにまずはシェーザを指差す。
「シェーザ君。」
「団長が8割でいいと思います。」
「賛成。」
「よくわかんねから、ダンチョが持てばいいと思う。」
そういう三人に団長は頭を抱える。
「あのなー....確かにお前らの装備や食料、団の維持関係のことは全部俺がやってるし、団の金は俺が管理してる。でもな、お前らが受け取らないのはおかしいと思わんか?」
「でもよー、俺らが持ってても使う機会ねーし。それなら団長がその金を俺らの装備に使ってくれたり竜馬の世話に使ってくれたほうがいいって。」
「私も、欲しいときは言う。」
「旨い飯くで。」
「お前ら....いっちばん最初にちゃんと話したろ?2割は団に、1割は団長、その他7割はお前らで分けるって。」
「だから団長8割でいいっていう話だろ?」
「バカ!戦場に出てるのは誰だよ!」
「私たち。」
「そうだよ!恥ずかしい話、団長の俺はいつもお留守番してんだ!ただでさえ全体から3割固定で報酬減らしてしまってんだから、おとなしくその7割ぐらい貰ってろ!」
「でも使わない。」
「だから団長が貰って使えってことだろ?」
「そでぇでいい。」
「だーかーらー!」
そうして、焚き火を囲って話は難航する。
彼らは【剣狼団】。
4人で各戦場を渡り歩く傭兵団。
数は少なくとも、各自が戦局を変えるほどの力を振るう。
【報酬はお高く、団長の飯は美味い】
そんな小話とともにやってくる彼らは、確実に依頼をこなす。
これは、彼ら剣狼団のお話。
群雄割拠が進み、あちこちで血が流れる世紀末。
時にはある者の涙のため、時には自分たちのため。
剣狼団は血の匂いに惹かれてやってくる。
遊撃兵、シェーザは大剣で切り裂く。
魔術兵、イセリアは魔術でなぎ払う。
強襲兵、ドットは怪力で道を切り開く。
団長、テリーは美味い飯を作る。
これはそんな四人の話。
今日も狼は群れで動く。
そんな、話である。
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