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「それじゃ、俺とりあえず依頼主のところ行ってくるから。」
「おでも行く。」
そういってテリーとドットは馬車から離れ軍の本陣へと向かう。
少し離れた場所で待機するように言われたシェーザとイセリアはそんな二人を見送る。
ここは帝国領。
周囲の小国を飲み込み、勢力を広げるアルガス帝国に対して小さくても連合を組み必死の抵抗を続けるフューリー連合。
近況としては、帝国は長年戦争を続けてきたツケがきたのか、内地の一部で反乱軍による暴動が発生。
それの対処に軍を割かざるを得なかった帝国は一時侵攻を停止。
各地の重要防衛拠点に引きこもると内地の反乱軍の弾圧に集中する。
これを好機と見た連合軍は各地の重要拠点を同時襲撃する計画を立てる。
劣勢だった連合は帝国の反乱軍に支援をかけ暴れてもらい、その間に戦力の補充を行った。
剣狼団は、その戦力補充の一環である傭兵として参加することとなったのだ。
テリーとドットは本陣付近を哨戒していた兵に道を尋ね、監視の下総大将がいる天幕の前にたどり着く。
許可が出たところでテリーを先頭に中に入る。
派手な色彩で目立つ武装に身を包んだ長身の初老男性が二人に気づくなり声をかける。
「何者。」
小さくも威厳のある言葉にテリーは丁寧に自己紹介をする。
「お初にお目にかかります。傭兵団【剣狼団】の団長をしていますテリーと申します。」
「剣狼団....。」
剣狼団の名前を聞いた総大将は手に持つ書類から目を離しテリーへと向ける。
興味が沸いたところでテリーはさらに言葉を重ねる。
「傭兵である私たちが直接こうやってお話できるとは光栄の極みで....。」
「御託は好かん。さっそく話をしよう。」
そういって総大将である男性は作戦を指揮するためのテーブルまで招く。
今回の雇い主は話が早くて助かる。
そんなことを考えながらテリーとドットも机の近くに寄る。
そこには地形を書き込んだ紙の上に駒が並んでいた。
「まずは我等の作戦だが、ややこしいことはナシだ。短期決戦で各地の重要拠点を同時に襲う。」
「同時襲撃はともかくとして、なぜ短期決戦なのですか?帝国が時間をかけて固めた要塞、そう簡単に墜ちるとは....。」
「こちらにも事情がある。短期決戦で落とさなければ、今後さらに厳しい戦いを強いられる。」
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