はじめての。

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はじめての。

 あー。疲れた。  重いカバンを肩にかけ直すと、改札を抜ける。  はやく春休みにならないかなー。春休みになったらなったで、考えることたくさんあるんだけど。  それにしても、お腹空いた。  ケータイを出して時間を確認する。家に帰るころには21時近くになっているだろう。せっかくの誕生日なのに。まあ、この年になったらあんまり関係ないけど。  ため息をついたところで、メールが来た。  確認すると、家族からだった。今から帰るに対する返信と、「ポスト見てくるの忘れたから、帰りにお願い」の文字。  しょうがないなー。了解と返信。  四月になれば、大学も最終学年になって、考えなければいけないことが目の前にどんどん山積みになっていく。半年前、すでに大きな人生の決断をしたばっかりなのに、また決めなければいけないことがある。  自分のなりたいものに本当になれるのか、不安でしょうがない。
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