時限

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「お誕生日おめでとう。」 「ありがとう、おばちゃん!」 あれから半年して、先輩は大きなお腹を抱えて結婚した。そして生まれた男の子は、今日、五歳になった。 今年もプレゼントを持って、昼下がりのファミレスへお祝いに駆け付けるの。 「わあ、このゲーム欲しかったんだ!」 「よかったわね、アヤト。ちゃんとお礼を言って?」 アヤカ先輩は、本当に完璧だ。 アヤカの“アヤ”に、タクトの“ト”。 そう、目の前の男の子は先輩と…私の恋人だった男の子供だ。 なんて気が長い、なんて胸のすくような手口。 好きなった男には恋人が居た。 その男の、“好みのカタマリ”みたいな女に近付き、手の内に入れて彼の好みをモノにする。 そして優しいアドバイスで動きを封じている間に…。
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