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「じゃあね、アヤト君。アヤカ先輩も。」
「おばちゃん、またね。」
「また連絡するわね。」
午後三時、二人は手を繋いで帰っていった。
スーパーとケーキ屋に寄って、家族でお祝いする為のご馳走の材料と、バースデーケーキを買うんだって。
何度も振り向いて手を振ってくれるアヤト君を見ながら、呟く。
「七時には、“返して”あげないとね。」
手首の時計に目を落として、私は待ち合わせ場所に向かった。
ねえ先輩、自分に奪えた男が誰にも奪われないなんて、あると思う?
いずれわかる。
だってその男は……クズなんだから。
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