1:必要悪

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ギラギラと照らしつけるネオンの光源と共に、なにかジメジメとしたものが全身を包む。 そして、その『ジメジメ』がやがて圧力となり思考に刻み付ける。 それは、この町に圧倒されてしまった『不安』なのか、それとも深夜ですら賑わう町に対しての『希望』なのか…。 まぁそんなことはどうだっていい。 この場所はそんなどうでもいいことを直ぐに消し飛ばしちまう、愉快なところなんだ。 「ねぇねぇ、どうですかこの後。いい娘そろえてますよ?」 「ふふ…ふへぇ・・・」 『近視町』人々はここを繁華街と言っている。どう考えても新宿やらなにやらの方が繁華街のような気もするが。 だがこの町は他にはない独自の賑わいを魅せてくれる。 まぁ当たり前だが、ちょっと歩けば人なんかわんさかいる。例えるなら野球観戦、言い過ぎかもしれないが年に二度行われるコミックマーケット並に。 その多くの人たちが光ファイバーのように無数に彩っている。それも、入り組むように。綿密に。 アタシはこの町である喫茶店を営む者だ。蜂をイメージした喫茶店『蜂喫茶ホーネット』をね。 最近ではネットワークを介してうちの店も随分人気になったらしい。 アタシなんかがこんな大金…って思うほどに資金も増えてしまった。
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