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もう問答無用だ。手当たり次第に振り回して当てにかかってくる。
こうなると流石にアタシも避けきれないね…。
「っく・・・。」
左腕にかすった。まずいね…。
かすったって言っても実際、結構深く切られた。かすったってことにしとかないと精神的に持ちそうもない。
「当たった?当たったよね?痛い?痛いよね?」
「…。ふふ、全く気持ち悪い奴だ。はぁ、はぁ…。」
「…っ!!口の減らねえお姉さんだ、な!!」
こんな賑やかな町に轟く非情な叫び。歓喜の叫び。無垢な叫び。助けを求める叫び。
どれも賑やかなこの繁華街に必要な要素だ。でもね、犯罪が滴る叫びはアタシは大嫌いだよ。
そんなものはこの町に必要ない悪そのものなんだ。
「…ぐえ!?」
近視町に蔓延る悪は必要悪がつぶせばいい。
この町に犯罪が溢れるなら、アタシは。いやアタシたちはそれを握りつぶす。
「京子ぉ!!!おめえに手ぇかけたコイツぶっ殺していいかぁ!?」
「はぁ…はぁ…。警察が…直に来る。死なねえように痛みつけときな…。はぁ…、それと呼び捨て止めろ…。これでも年上だぞゴリラ野郎。」
「ふぅ~。騒ぎが大きくなってきたから、桜花と来てみれば…。京子さん、本当に間に合って良かった…。京子さん、力が入らないでしょう?僕の肩使ってください!」
それがこの町の必要悪。近視ホーネットなんだからよ。
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