1:必要悪

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もう問答無用だ。手当たり次第に振り回して当てにかかってくる。 こうなると流石にアタシも避けきれないね…。 「っく・・・。」 左腕にかすった。まずいね…。 かすったって言っても実際、結構深く切られた。かすったってことにしとかないと精神的に持ちそうもない。 「当たった?当たったよね?痛い?痛いよね?」 「…。ふふ、全く気持ち悪い奴だ。はぁ、はぁ…。」 「…っ!!口の減らねえお姉さんだ、な!!」 こんな賑やかな町に轟く非情な叫び。歓喜の叫び。無垢な叫び。助けを求める叫び。 どれも賑やかなこの繁華街に必要な要素だ。でもね、犯罪が滴る叫びはアタシは大嫌いだよ。 そんなものはこの町に必要ない悪そのものなんだ。 「…ぐえ!?」 近視町に蔓延る悪は必要悪がつぶせばいい。 この町に犯罪が溢れるなら、アタシは。いやアタシたちはそれを握りつぶす。 「京子ぉ!!!おめえに手ぇかけたコイツぶっ殺していいかぁ!?」 「はぁ…はぁ…。警察が…直に来る。死なねえように痛みつけときな…。はぁ…、それと呼び捨て止めろ…。これでも年上だぞゴリラ野郎。」 「ふぅ~。騒ぎが大きくなってきたから、桜花と来てみれば…。京子さん、本当に間に合って良かった…。京子さん、力が入らないでしょう?僕の肩使ってください!」 それがこの町の必要悪。近視ホーネットなんだからよ。
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