勇者あるある

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 その壺に向かって抜き足差し足で近付き、とうとう壺に手を伸ばせば届く位置にまで到達した。 「よーし、これで資金調達だ!」  僕は壺に手を掛け、大きく振りかぶって地面に叩き割ると、パリッという大きな音が室内に響くと同時に目の前に割れた壷の中から金色に輝く金貨が眼前に広がった。 「金貨だ!初めて見た!じゃあ、遠慮なく……」  その金貨を取ろうと腰をかがめて拾おうと手を伸ばそうとするが、急に視界が暗くなっていく。なんだ?まるで自身の実体がないかのような無重力感と遠くに運ばれていく意識に僕は初めて死んだのだと実感した……
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