満を持して現れた!

2/5
前へ
/5ページ
次へ
 めざ……る……で……  めざ……ので……  ……  ……  ……目覚めるのです。  何処からか声が聞こえてくる。  眩しい光に包まれ、私はゆっくりと瞼を開いた。 「お待たせしました、満月兎の助さん。私は……」  目を疑った。  ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光るタコが視界に入る。 「夢ね……」 「ああ、待って! 夢ではありません。私は神聖な祭りを司る神……あなたの功績を称えに来ました」  私は神と言い張るタコをゴミ袋に入れ、燃えるゴミと一緒にゴミ捨て場へ投げ込む。 「……燃えるゴミの日で良かったわ」  のどかな春の陽気に眠気を誘われ、もう一度ベッドへ潜り込んだ。 【完】
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加