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めざ……る……で……
めざ……ので……
……
……
……目覚めるのです。
何処からか声が聞こえてくる。
眩しい光に包まれ、私はゆっくりと瞼を開いた。
「お待たせしました、満月兎の助さん。私は……」
目を疑った。
ベッドから体を起こすと、30センチほどの小さな雲に乗った、キラキラと光るタコが視界に入る。
「夢ね……」
「ああ、待って! 夢ではありません。私は神聖な祭りを司る神……あなたの功績を称えに来ました」
私は神と言い張るタコをゴミ袋に入れ、燃えるゴミと一緒にゴミ捨て場へ投げ込む。
「……燃えるゴミの日で良かったわ」
のどかな春の陽気に眠気を誘われ、もう一度ベッドへ潜り込んだ。
【完】
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