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「目覚めるのです」
また出た。さっき燃えるゴミと一緒に捨てたはず……
どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。
「……分かった、起きるよ。それで、功績がどうとか言ってたね」
「はい。兎の助さんは、幾つもの神聖な祭りで功績をあげられました」
「何かくれるの? それとも願いを叶えてくれるとか?」
「あなたの心を覗かせて頂きますね……ファンタジー……イベント……」
心臓が跳ね上がった。このタコ、深層意識を読み取ったの!? 確かに私はファンタジー小説を書いて、イベントの大賞を狙ってる……
「ファンタジーイベント? それで大賞に選ばれたい……分かりました。しかし、イベントとは祭りの事でしょうか? 今暫くお待ちを……」
タコはタコ型タブレットを取り出し、何かを調べ始めた。
「分かりました。ファンタジーイベントとは、妖精のコスプレをして町を練り歩き、どれだけ不思議ちゃんなのかをアピールして競い合う祭り。そこで優勝したい……宜しい。あなたに最高のコスプレ衣装を授けましょう」
……
……
「違うよ!!! なんなの、不思議ちゃんを決めるイベントって!? なんで心が読めるのに、大事な部分だけはタブレットで調べるの!? そもそも、そんなコスプレ衣装なんて着れないよ!」
「ショッキングピンクですよ?」
「余計にいらんわ! なんでフワフワの妖精が、目に優しくないショッキングピンクなのよ!」
タコはショボンとしてしまった。
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