満を持して現れた!

3/5
前へ
/5ページ
次へ
「目覚めるのです」  また出た。さっき燃えるゴミと一緒に捨てたはず……  どうやら夢ではなさそうだ。夢と現実の違いくらい分かる。 「……分かった、起きるよ。それで、功績がどうとか言ってたね」 「はい。兎の助さんは、幾つもの神聖な祭りで功績をあげられました」 「何かくれるの? それとも願いを叶えてくれるとか?」 「あなたの心を覗かせて頂きますね……ファンタジー……イベント……」  心臓が跳ね上がった。このタコ、深層意識を読み取ったの!? 確かに私はファンタジー小説を書いて、イベントの大賞を狙ってる…… 「ファンタジーイベント? それで大賞に選ばれたい……分かりました。しかし、イベントとは祭りの事でしょうか? 今暫くお待ちを……」  タコはタコ型タブレットを取り出し、何かを調べ始めた。 「分かりました。ファンタジーイベントとは、妖精のコスプレをして町を練り歩き、どれだけ不思議ちゃんなのかをアピールして競い合う祭り。そこで優勝したい……宜しい。あなたに最高のコスプレ衣装を授けましょう」  ……  …… 「違うよ!!! なんなの、不思議ちゃんを決めるイベントって!? なんで心が読めるのに、大事な部分だけはタブレットで調べるの!? そもそも、そんなコスプレ衣装なんて着れないよ!」 「ショッキングピンクですよ?」 「余計にいらんわ! なんでフワフワの妖精が、目に優しくないショッキングピンクなのよ!」  タコはショボンとしてしまった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加