序章 マロンの探偵日記

3/3
前へ
/116ページ
次へ
ここで取れた鉱石は、グランドシップで工業の町ライレンへと運ばれ、加工され戻ってくる。 腕のいい職人が多いライレンの品を我先にと買い付けに来る商人たちが後を絶たない。 そのためツギーノ国でも、1,2を争うほどの活気のある街だ。 丁度今朝、この街にグランドシップがやって来たという事で、仕入れのために商人たちが荷卸しを今か今かと待ち望んでいる。 あ、グランドシップと言うのは陸を進む船のこと。 大量の荷物を運ぶのに適していて、ここニェクスト街⇔ライレン街には2隻の船がひっきりなしに行きかっている。 そんな風景を、売りにした観光産業も盛んな一面を持つ、このニェクスト街。 中央には開祖が使っていたと言われる”黄金のツルハシ”で、鉱石を掘る鉱夫を模った”鉱夫の像”がもう一つの観光の目玉だ。 ……コロネ。 貴方はこの街で何をしようとしていたの? 何を得たの? そして今どこにいるの? 私は昼の活気あふれるニェクスト街へと足を踏み入れた。
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加